風力発電が使い物にならないというこれだけの証拠2009/09/20 14:55

風力発電が実際に使い物になっていない証拠

前原国交相が八ツ場ダム建設中止を発言したことで、メディアは「地元が一斉に反発」などと書いていますが、間違えてほしくないのは、こうした事態を招いた責任者は今までの自公政権であるということです。地元はもともと建設反対だったのを、57年もの気の遠くなる時間をかけて懐柔し、脅し、無理矢理にここまで建設を進めてきたのは前の政権と官僚たちです。それを間違えないようにしてほしいものです。

小沢鋭仁環境相は、温暖化対策に寄与する新エネルギー事業である太陽光や風力発電には積極的に金を出すと発言したようですが、この人と、党内で最も「温暖化対策に熱心」と言われる岡田克也外相には特に、すり込まれた間違った情報と認識を早急に改めてもらわないと、日本の環境も経済も破壊されてしまいます。

最近ようやく、無茶な風力発電事業開発で住民が健康被害などで苦しみ、貴重な自然が破壊されていることに注目が集まるようになりましたが、ほとんどの人たちは「それでも風力発電事業そのものは地球温暖化対策のために絶対必要だ」という思いこみから抜けられないでいます。
まず、地球が多少温暖化しても、メリットのほうがデメリットよりはるかに大きいということ(大きな戦争が起こったのは寒冷化のときであるということは歴史が語っています)、ここ数十年の温暖化傾向は昨年あたりから頭打ちで、今は放っておいても小さな寒冷化傾向にあるらしいこと、温暖化が続いていたとしてもそれはCO2のせいではないということ(温暖化は人為的発生のCO2が急増するよりずっと以前の1800年頃から始まっている「自然現象」です)……こうした認識がないままに、多くの人たちが温暖化プロパガンダにころっと騙されていることが大きな問題ですが、それらを全部「おいておいて」、風力発電事業というものが資源節約に寄与するのかという点だけに絞っても、根本的にダメなのだということを理解してほしいのです。

風力発電から買い取らなければならない電気はこんなに不規則

最初に下のグラフを見てください。

ハマウィング時間別発電量


これは横浜市が市民に地球温暖化対策をPRするために建設したという「ハマウィング」という定格出力1980kwの風車が、1日にどのように発電しているかを時間別に記録したものです。
これは『ストップ!風力発電』(鶴田由紀・著)の75ページから借りてきました。
風力発電の時間別発電量データを見れば、風力発電がいかに使い物になっていないかが一目瞭然なのですが、それゆえに、風力発電業者はデータを表に出そうとしません。そこで、情報開示義務がある公営風車のデータを出してもらったわけです。
しかし、このデータが入手できたのは幸いで、その後、東京新聞の取材班が横浜市に「ハマウィングの発電実績データを見せてほしい」と要望した際、「発電量が目標に達しておらず、議会で追及されてしまう恐れがあるので公開したくない」と拒否してきたそうです(東京新聞2009年10月8日付「こちら特報部」)

さて、このグラフで、ピンク━━━━が4月1日、赤━━━━が7月1日、水色━━━━が10月1日、緑━━━━が2008年1月1日です。偏見や恣意的操作が入らないよう、年度初めの4月1日から3か月おきに各月の1日を抽出しています。
これを見てまず分かることは、定格出力1980kwといっても、その最大出力を得られている時間がないということです。4月1日未明(真夜中の1時過ぎ)に突出して発電量が多くなっていますが、この極端なピークでさえ、980kw程度で、定格出力の半分に過ぎません。
その他、ほとんどの時間帯では、0~200kwあたり、あるいはせいぜい500kwを一時的に突破している程度です。
次に、4月1日の突出した発電ピークが真夜中であることに注意してください。夜中の1時過ぎから明け方4時くらいまでにせっせと発電していますが、この時間帯は1日のうちで最も電力需要がなく、原子力発電以外を止めてもまだ夜間電力が余るので、揚水発電に回しているという時間帯です。電力があり余っている深夜の時間帯に突然風力から電気が送られてきて、それを高額で「買い取らなくてはいけない」という状況が、どれだけ電力供給システムにとって迷惑なことか、誰でも簡単に理解できるでしょう。

世の中で最も電気を使っているのは昼間、具体的には朝の10時くらいから夜の10時くらいまでです。グラフの中に薄い黄色の四角で囲った部分がその時間帯ですが、最も電気が必要なこの時間帯にハマウィングがまともに発電していないことは一目瞭然です。特に10月1日と1月1日は、電気がいらない真夜中に発電し、電気がほしい昼間は発電しないというあべこべの図式がはっきり見て取れます。
また、どの日も、出力変動幅が大きく、しかもめまぐるしく変わっていることが分かります。これほど激しく変化する風力発電の出力に合わせて、他の発電設備(主に火力)を細かく調整するなどということは無理ですから、結局は火力発電は風力からの電気がゼロ状態に合わせた形で常に稼働していなければなりません。
次の図は、1日の電力発電量の変化に、各発電手段がどのように対応しているかを示したものです。

時間別発電手段変化


これを見ると分かるように、まず流水型水力や地熱というのは、投入エネルギーの調整ができない発電なので、常に100%出力で稼働させます。
原子力も同じで、出力変動させるには燃料棒の抜き差しという非常に危険な作業を伴うため、一旦稼働させた後は100%出力で動かし続けます。これらが不変のベース電源となり、いちばん下(土台部分)にきます。
実際にどうなっているかを示した実例が以下のデータです。データが2000年4月といささか古いのですが、現在では火力の割合がもっと増えています。
出力変動に合わせた電源対応


これを見れば分かるように、原子力などのベース電源を止められずに余った夜間電力は、揚水発電所というダムに送られ、下のプールから上のプールに水を電気ポンプで(つまり電気を使って)汲み上げることに使われます。汲み上げた水は、昼間、電力使用量が増えたときに、下のプールへと放水し、その水力で発電するという仕組みです。
つまり、一度作った電気を位置エネルギーに変換させて溜めておくということになります。そこから再度電気にしたときは、当然のことながら、最初に発電したときよりも効率は著しく落ちます。しかし、余った電気を捨てるわけにはいかないので、このように苦肉の策で処理しているわけです。
風力発電が夜中に突然大出力で動き出せば、ただでさえ余っている夜間電力の処理に深刻な問題を与えます。もちろん、夜間に風力発電から発生させた(というよりも、風が吹いたために、人間のコントロールできないところで勝手に生まれてしまった)電気は、まったく役に立ちません。
昼間の電気が必要なときにも、風力からの電気は変動が大きすぎるため、火力発電所がその激しすぎる変化に対応するには燃料カットでは無理で、「空焚き」や、極端に悪い燃費での運転を強いられます。
それでも出力変動調整が追いつかない場合は、風力から来た電気のおかげで、供給される電気の周波数が不安定になり、電気を使う現場では電気機器の動作不調などの問題が起きます。わざわざ大金を使って使えない発電施設を作り、その結果、電気の供給を不安定にさせる。 これほど馬鹿げた発電手段が他にあるでしょうか。
そもそも、人間が発電時間や発電量をまったくコントロールできない機械を「発電施設」と呼べるのでしょうか。社会はお天気任せで動いているわけではないのです。雨が降っても、風が吹かなくても、人間は定時に起きて、活動し、電気を使います。それに合わせて電気を作り、供給するシステムが発電施設であって、お天気任せの発電施設を増やせば増やすほど無駄が大きくなることくらい、小学生でも分かることです。

風力発電をすればするほど化石燃料が無駄に使われる

そもそも、日本における発電手段の割合はどうなっているのでしょうか。
下のグラフがそれです。


この図では、風力発電は地熱を除いた「新エネルギー」に入りますが、他のものと合わせても「新エネルギー」なるものは0.4%に過ぎません。この0.4%の中で、時間別に激しく出力変動して使い物にならないというのが風力発電です。
「温暖化防止のために、風力発電などの新エネルギーの割合を増やさなければならない」と主張する人たちは、本気でこの0.4%をこれから他の発電手段並みに伸ばせると考えているんでしょうか。まともな感覚なら「到底無理だ」と分かるはずです。
次のグラフは、発電手段の年次別変化を示したものです。

2004年から2009年(見込み)への変化として、火力と水力が減った分、原子力が増えています。これはひとえに、「地球温暖化対策」が叫ばれ、火力発電が悪者にされた結果でしょう。
火力発電を必要以上に悪者扱いするのは危険な思考です。
石油はエネルギー資源であると同時に工業原料、素材資源であり、また、貴重な移動動力用エネルギーですから、火力発電で「生炊き」するのはもったいないことです。 ただし、石油火力発電で使われるのは重油ですから、工業製品原料としての石油や、輸送用燃料としての石油が使い続けられる限り、その分の重油は必ず生じます。
原油を精製すると、成分の軽いものから順に、
LPガス → ナフサ → ガソリン → 軽油 → 灯油 → 重油 → アスファルト
……という順番で精製されます。
精製後の量を割合で表すと、いちばん多いのが重油で約29%、次いでガソリン24%、軽油16%、灯油12%、ナフサ8%……となります。
この比率を人間が勝手に調整することはできません。つまり、ガソリンとナフサはたくさんほしいけれど、重油はいらないよ、というわけにはいかないのです。原油を精製すれば、必ず29%は重油になるのです。
重油からはプラスチックを作ることはできませんし、移動用燃料にも向いていません。いわば、燃やすしか使い道がないものであり、その重油を燃やして発電することは極めて理にかなっているとも言えるのです。

天然ガスは石油に比べると埋蔵量が莫大で、そもそも地下においてどういう仕組みで天然ガスが作られてきた(あるいは現在も作られている)のか、詳しくは分かっていません。
日本は、もっと真剣に天然ガス発電を考える必要があるでしょう。今はパイプラインがないため、液化天然ガスにしてから輸入しています。その結果、液化する段階でエネルギーが使われる分、エネルギー効率が落ちていますが、これをどう改善していくか。日本の領海内に天然ガス資源は見つからないのか、といったことを真剣に考える必要があります。資源大国モンゴルなどの近隣国との友好を深めておくことも重要でしょう。

石炭は燃焼効率が石油に比べれば落ちるためにCO2発生量が増えるということで悪者にされますが、日本は脱硫技術は世界一ですし、かつてのような規模の大気汚染は引き起こしていません。CO2そのものは無害な気体であり、石炭火力を「CO2」だけを理由に圧殺するのは馬鹿げた自殺行為です。
プルサーマルなど、事故を起こしたら取り返しのつかない危険性を伴うことを推進して、技術がほぼ確立している石炭火力を封印するというのはどういう神経なのでしょう。

現在の、CO2悪者説は、いたずらに火力発電を悪魔に仕立てすぎています。
特に、石油よりも可採年数がはるかに長い(豊富な)石炭や、パイプラインで運べばいちばん理想的な発電用エネルギー源である天然ガスから電気を得るという発想は間違っていません。特に天然ガス火力は、今後最も有望な発電方法であるということについては、資源物理学や経済学、地質学など、あらゆる分野から見て異論はないところでしょう。

日本を守る、国民の命を大切にする、限りある資源を有効に使う、これからのマイナス成長時代を少しでも幸福感を持って生きていけるための新しい生活習慣、価値観を模索し、築いていく……こうした視点に立てば、CO2温暖化説という詐欺が引き起こしている現在の危険な状況から一刻も早く脱却し、国民全員が覚悟を持って新しい未来像に向かっていく努力が必要です。そのリーダーとなるべき人たちが、真っ先に温暖化説による危険な思想・思考に染まり、国を間違った方向に誘導していくのを見るのは、悲しく、恐ろしいことです。

CO2による地球温暖化説というのは、もともとが原子力発電推進の理由として考え出された方便であることは業界人や学者たちの間では常識ですが(補助金や研究費をもらっているため、表だってそう言えないだけのことで)、まさにそれを裏付けるような推移になっています。
私は原子力発電の存在を肯定していません。核廃棄物という、処理できない毒物を生み出す発電には依存してはいけないと考えます。しかし、CO2温暖化説による地球温暖化防止キャンペーンが進めば進むほど、原発依存度が上がっているという現実を、反原発の人たちはどう考えているのでしょうか。これこそ産業界の「思うつぼ」ではないですか。
リサイクル幻想と同じで、風力発電が明るい未来を切り開くといったでたらめ情報を流布することで、実際にはより多くの金が動き(つまりそれだけ余計なエネルギーが使われ)、一部の巨大企業に金が集まり、環境は破壊され、生活格差は広がっているではありませんか。
現実に、データを見ても「新エネルギー」が増えていないことは一目瞭然です。これは、いくら補助金をつけて推進したところで、基本的に使い物にならないものは使えないという当然の結果にすぎません。
この1%に満たない、最も優遇された発電手段が他の発電手段の代替になるなどと考えることは妄想以外のなにものでもありません。
太陽光は晴れた日以外にはまともに発電できませんが、それでもまだ、電気を必要としている昼間に発電し、需要が落ちる夜間には発電しないというパターンが分かっている分、風力よりはマシです。風力はその逆(昼間は止まっていて、電気を必要としていない夜中に突然発電を始めるパターン)であることが多いばかりか、30分先の発電量も予測不能という、どうしようもない代物です。
いくら補助金をつけて、あるいは国民や企業を騙して援助金を集めて運転し続けたところで、タチの悪い冗談、お遊びでしかありません。いい加減、こういう馬鹿げたものを「環境保護」「省資源」などといって真顔で論じるのはやめようではありませんか。時間とエネルギーの無駄です。
最近では、放送メディアもようやく風力発電の負の面を報道するようになりましたが、それでも「風力発電は温暖化効果ガス削減のためになくてはならないものですが……」という前置きを必ずぶちあげてから本題に入ります。その前置きは根本的に間違っています。

すでに報告しているように、風力発電事業者は別に温暖化だの省資源だのという理想を信じて日本の山の中に巨大風車を建てているわけではありません「建てさえすれば、発電できなくてもいいのです。補助金がいただけるから建てるのです」という姿勢でやっているだけなのです。
鳩山由紀夫さん、菅直人さん、岡田克也さん、小沢鋭仁さん、前原誠二さん……みなさんには特にこのことを知っていただく必要があります。
風力発電事業に税金を投入することは、日本の国土を破壊し、限りある化石燃料を無意味に使うことに他ならないということを。

コメント

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://no-windfarm.asablo.jp/blog/2009/09/20/4589096/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。


ストップ!風力発電

ストップ!風力発電 鶴田由紀・著

かつて北欧を旅行したときに見た洋上風車の風景に感動し、環境問題に目覚めて、帰国後、市民風車への献金をしようとした著者が、風力発電の恐ろしさ、馬鹿馬鹿しさに気づき、隠された真実を、今、淡々と報告する。「大変な問題なのに、ほとんどの人はまったく知らない」ことの恐ろしさを訴えるために。
全国の「風車ファン」必読の書。もちろん、風力発電懐疑派のかたにとっても最良のガイドブック。
アットワークス刊、1200円+税   注文はこちらから  


風力発電の不都合な真実

風力発電の不都合な真実 風力発電は本当に環境に優しいのか? 武田恵世・著

三重県で長年自然環境調査活動を続けてきた著者は、当初は広くPRされているように「風力発電は化石燃料を使わない、CO2を排出しない「環境に優しいエネルギー」だと信じていたが、目の前で展開される巨大風力発電施設建設のでたらめぶりに驚き、調査を開始。11年を経て、この事業がいかに欺瞞に満ちた詐欺的なビジネスであるかを知って戦慄する。
現在推進されている風力発電ビジネスは、CO2排出を増加させ、健康被害を引き起こし、補助金政策に頼り切る「使いものにならない」事業だった。原発震災に揺れている今こそ全国民が「正しいエネルギー政策」を考える第一歩として必読の書。
アットワークス刊、2000円+税   注文はこちらから  

このブログについて

環境条件がまったく合わないのを無視して、巨大風車群を無理矢理建設し続けることにより、日本は破壊されている。日本における風力発電ビジネスの実体に迫る。

最近のコメント

RSS