大きな嘘をつき続けた果てに2011/05/02 17:35

子供にこうした嘘を教えているサイトを設立したのは……
『原発事故──その時あなたはどうするか!?』(日本科学者会議福岡支部核問題研究委員会・編、1989年、合同出版)という本があります。絶版ですので、正確には「ありました」というべきでしょう。
 版元などのご協力により、内容は現在ネット上で誰でも読めるようになっています。⇒こちら

 執筆・編纂したのは、森茂康九州大学名誉教授をはじめ、九州大学、九州工業大学、佐賀大学などの7人。
 20年以上昔に書かれたものですが、現在福島第一原発で起きている原発災害にそのままあてはまる内容です。今読むと、なぜこうした真摯な警告を生かせなかったのかと、改めて残念に思います。

//原子力発電所に事故が起きて放射能が漏れるような事態になったとき、国および地方自治体(知事や市町村長)には住民を被害から守る責任があります//
 ……という書き出しで始まるこの本は、「原発事故が起きたらどうすべきか」「原発事故とはどのようなものか」「放射線障害とはどのようなもので、どうすれば身を守れるか」「原発重大事故はどのようにして起こりうるか」「原発事故に対する法整備の提言」という内容を70ページ弱に収めてあり、非常に読みやすく、分かりやすい説明には感心させられるばかりです。
「あとがき」は、奇しくもこのように結ばれています。

//本書を作成する作業を進めている間にも、原発事故をめぐるさまざまなニュースが入ってきました。その中でも、福島原発の再循環ポンプの羽根の破損事故に際して警報が鳴っているのにそのまま運転を続けた、というニュースに、私たちは戦慄をおぼえると同時に、本書を作成する意義を重ねて確認することにもなりました。しかし、私たちは、本書が実際に使われるような原発事故がけっして起こらないことを願っています。//

 福島原発周辺に住む私は、この本の存在を重大事故が起きた後にネット上で読むことになりました。この本が福島の住民に配られていたら、どれだけ役に立ったことでしょう。
 しかし、この本の冒頭で「原子力発電所に事故が起きて放射能が漏れるような事態になったとき、住民を被害から守る責任があります」と宣告された国や地方自治体(知事や市町村長)は、原発事故への備えを固めなかっただけでなく、逆に、「原発事故は起こりえない」と国民を洗脳し続けてきました。
 ほんの一例を示しましょう。
 財団法人福島県原子力広報協会 という組織があります。
 事務所は大熊町の福島県原子力センター内にありますが、当然今は立入禁止です。でも、サイトは生きていて今も閲覧可能。とても興味深い内容なので、ぜひ覗いてみてください。
 財団の説明には、
「財団法人福島県原子力広報協会は、県民に原子力の平和利用の知識と安全性に関する普及啓発を行い、地域社会の振興に寄与することを目的として、福島県及び原子力発電所立地・予定関係11市町村の出捐(しゅつえん)によって設立されました」
 ……とあります。
「出捐」という言葉は聞き慣れませんが(ATOKも変換してくれませんでした)、辞書を引くと「当事者の一方が自分の意思で、財産上の損失をし、他方に利益を得させること」とあります。
 ということは、福島県と浜通り11市町村が金を出して、県民に対して「原発は必要なんですよ」「原発は安全ですよ」とPRするために設立した、ということになりますね。
 設立出資金は2,000万円。実際の金がどこから出たのかは分かりませんが、あくまでも形の上では東電が設立したのではなく、地元自治体が設立したことになっている点が重要です。
 この財団の「出捐団体」は、福島県、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、南相馬市、田村市、いわき市の12自治体です。理事長は渡辺利綱(大熊町長)。事業費は約1億293万円(平成22年度予算)となっています。
 毎年1億円以上をかけて、原発のPRをしているのです。

 財団のサイトには「ウランちゃんのなるほどアトム教室」とか「アトムキッズランド」といった子供向けのコーナーがあり、原子力をPRしています。
「アトムキッズランド」には「アトム博士になろう! クイズチャレンジ」というコーナーがあり、そこにはこんなクイズが出題されていました。

問題:「地球温暖化によって地球の気温が2度上がると、海面はどのくらい上昇すると予測されているでしょう?」
答え:「50cm~1m」 解説:21世紀末までに地球の平均気温は約2度も上昇し、これにより北極や南極の氷が溶け海面が50cm~1m上昇するといわれています。


 地球の平均気温が多少上がったからといって極地の氷が溶けたり、それによって海面上昇などしないことくらい、まともな大人なら知っていますが(そもそも北極の氷は海面に浮いているので、たとえすべて溶けたとしても海面上昇には関係しない)、こういう大嘘を金を使って子供たちに教えているのです。
 注意してほしいのは、こうした大嘘を子供たちに教え込んでいる組織が、あくまでも電力会社ではなく、地元自治体によって設立されている(ことになっている)ことです。
 最近ニュースになった「わくわく原子力ランド」(小学生用)と「チャレンジ!原子力ワールド」(中学生用)という教科書副読本も同じですね。これは国(文部科学省と経済産業省)が作製したもので、全国の小中学校に無償で配布されています。国策としての原子力発電事業を肯定する内容で、今回の事故後、「大きな地震や津波にも耐えられる」「放射性物質がもれないようしっかり守られている」などの表現が問題にされました。

   この副読本は、2008年に改訂された新学習指導要領で原子力推進を重視することが確認されたために作られました。実際の作成には「日本原子力文化振興財団」(文科省関連の財団法人)が関わっていたようで、その内容を同財団のサイトでも公開していましたが、4月13日に削除しています。
 この「日本原子力文化振興財団」の紹介ページには、
「地球環境への負荷の小さいエネルギーである原子力に、国民の積極的な支持と協力を得るためには、きわめて幅広く、かつ多岐にわたる活動が求められます。当財団は、発足以来、設立の趣旨にのっとり、多種多様な事業を展開し、原子力への理解を深め、不安や疑問を払拭していただくための努力を続けてまいりました」
 とあります。
 言い換えれば、原子力が必要不可欠かつ安全だと国民に信じ込ませるためには、ありとあらゆる手段を講じることが必要であり、その役割を担ってきた、ということですね。
 この「国民の積極的な支持と協力を得るための、きわめて幅広く、かつ多岐にわたる活動」が実を結んだ結果、日本人はすっかりバカになってしまいました。
 本当のことを自分で調べる努力をせず、テレビや新聞に書かれていること、学校で教えられることがすべて本当のことだと思うようになりました。
「CO2が増えると地球が熱くなって海面が上昇し、ツバルなどの島国が沈んでしまうらしい。ホッキョクグマが絶滅してしまうんだって。大変だ! そのためにはCO2を出さないクリーンで安価なエネルギー、原子力発電や風力発電、太陽光発電に切り替えなくては! 急がなくちゃ! そのためには何ができるだろう。そうだ、我が家も屋根に太陽光発電パネルを取り付けよう。グリーン電力証券を買おう。たまにしか乗っていない13年前のクラウンはまだ1万キロしか走っていないけど、廃車にしてプリウスに買い換えよう……」
 ……などなど、「幅広く、かつ多岐にわたる活動」を画策した人たちの思うつぼの思考形態、行動様式に染まっていったのです。

「ウランちゃんのなるほどアトム教室」や「わくわく原子力ランド」や「チャレンジ!原子力ワールド」は、確実に成果を上げたと言えるでしょう。
 こうした政策を進めてきた人たちは、人心を操ることや行政を牛耳ることにかけてはプロ中のプロです。
 首長の接待や立地自治体の懐柔はうまいし、そのための金はふんだんに使います。
 ギャラの高い有名人を起用したテレビCMを流して原子力政策をPRしてきましたし、テレビのニュース番組のスポンサーとなることで、メディアもコントロールしてきました。
 しかしその一方で、水に浸かっても大丈夫なバックアップ電源を用意する金は使わないし、考えようともしません。努力する目標を完全にはき違えているのです。

 さて、話を福島に戻しましょう。
 子供たちに大嘘を教え込み、原発の必要性と安全性を植えつける財団の「出捐団体」となっている福島県、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、南相馬市、田村市、いわき市は、これからどうしますか?
 福島第一原発の後片づけだけで、東電も国も手一杯。今までのように、住民を手なずけるための金が落ちてくることはもう期待できませんよ。しっかり補償金を取りたいなら、むしろはっきりと原発を拒否する姿勢を示さないと矛盾するということにも気づいてほしいものです。
 土地も暮らしもめちゃめちゃにされた上で、なお「原子力行政のあり方は国民的な議論が必要」とか「地域住民の感情を考慮」などと及び腰なことを言っていては、「補償」の内容も舐められてしまうということを理解してください。
「原発雇用」に関しては、気の遠くなるような廃炉までの作業により、今まで以上になるので心配ありません(ただし、仕事量は増えても、内容は「汚れ仕事」が中心になりますが……)。
 尻尾を振っておねだりする姿勢を少しでも残していたら、福島は、このまま核廃棄物最終処分場、産廃、巨大風車などなどが集中する、永久に「文化果つる土地」「見捨てられた地」「差別される土地」になりはてるでしょう。そういう土地にすることと引き替えに国から金が投入されても、その金にどんな意味があるというのでしょうか。
「緊急時避難準備区域」の我が家に戻り1週間。福島に生きる一人として言います。
 住民や自治体の長がこんな簡単なことも分からないようでは、福島の再生なんて、到底ありえない、と。

(税金投入によって懐柔され、情報コントロールによって騙され、その果てに裏切られ、被害を受ける構図は巨大風車も原発もまったく同じなので、敢えてここに掲載します。
原発震災情報・現地リポートは別ブログhttp://gabasaku.asablo.jp/blog/に更新しています。
☆言うまでもないことですが、福島原発に近い滝根小白井ウィンドファームや檜山高原ウィンドファームは3.11以後完全に停止したままで、まったく発電していません)

「風力発電の不都合な真実」(武田恵世・著)2011/04/07 21:29

風力発電の不都合な真実(武田恵世・著)
 武田恵世氏の『風力発電の不都合な真実 風力発電は本当に環境に優しいのか?』(アットワークス刊)を先ほど読了しました。
 多くの日本人同様、著者も当初は「風力発電は、石油などの化石燃料を使わないので排気ガスを出さず、CO2を排出しない環境に優しい自然エネルギーだ」と信じ、大きな期待を抱き、出資しようと思っていたひとりでした。しかし、目の前で展開される事業のあまりの杜撰さ、でたらめぶりに疑問を抱き、ひとつひとつ「本当のところはどうなっているのか」と調べていきます。
 そうして11年かけて調査し、検討した結果「現状では風力発電は決して推進してはならない」という結論に達し、本書を書くまでに至った、ということがまえがきに書かれています。

 風力発電に期待を抱いている人には、前半だけでも読んでいただきたいと切にお願いしたいのです。
 スマートグリッド、NAS電池、揚水発電所との併用の話も紹介しています。ヨーロッパでの現状も報告しています。中国で建設ラッシュになっている風力発電施設がどうなっているのかにも触れています。多分、みなさんが思っていた内容とは違うことが書かれています。

 その上で、例えばこの一節だけでも、しっかり読んでほしいのです。

//現在、日本では風力発電で発電した電気は、開閉器、変圧器などを介して電力会社の電力系統に直接入れられています。
 日本全国の電力会社は、強い風が吹いて風力発電所が稼働すると、火力発電所の出力をその分落とすという運用はしたことがありません。
 また、火力発電所が廃止されたこともありません。電力系統に大量の電気が急に入ったり、入らなくなったりすると電力系統全体が不安定になり、停電することもあるのですが、まだ風力発電所からの電気は系統全体の1~2%以下で誤算の範囲なので不安定にはならないので何もしていません。
 風力発電所が結構増えた北海道電力、東北電力では、風力発電所の発電量が増えると、既存の火力発電所の出力は落とさずに、風力発電所からの送電を止めています(接続制限)。なぜかというと、風は一定の強さで吹き続けるものではないので、それに合わせて火力発電所などの出力を調整するのは難しいからです。
 つまり、現状では、風力発電所ができたことで、火力発電所の出力も、数も減らしてはいないので、化石燃料の消費量をまったく減らしてはいないのです。//(37ページ)


 このことは、no-windfarm.netでもさんざん書いてきたことですが、未だにきちんと裏をとらずに感情的な反論をしてくる人たちが後を絶ちません。反論には正確なデータが必要です。私もぜひ見たいので、みなさんの力で、事業者や政府にしっかりしたデータを出させてください。お願いします。

 先日、『そうだったのか! 池上彰の学べるニュース』(テレビ朝日系)を見ていました。原発に代わる代替エネルギー、新エネルギーの話をするというので、私は「ああ、またか」と暗い気持ちになったのですが、池上さんは風力発電についてはっきりと「低周波による健康被害が問題になってきています」と解説していました。
 そして、彼が紹介した「有望視されている次世代エネルギー」は、ガスハイドレートやオイルシェールでした。
 生放送であったため、内容的には中途半端になった感がありましたが、ああ、テレビメディアも少しずつ変わってきたのだなと、少し灯りが見えてきた気がしました。


 さて、いちばん大切なことがあとがきに書いてあります。
 以下、「おわりに」の一部を抜粋します。

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 この問題で注意したいのは、最初は悪意を持って風力発電を進めた人はおそらくいなかったであろうということです。化石燃料を使わない自然エネルギーとして誰もが期待したものだったのです。
 それがなぜこれほどの惨状を招いているのか? 問題点がわかった時点で、素早く適切な対応をしなかったからだと言えましょう。
  そして、手厚い、ノーチェックの補助金政策、優遇政策がなされるとともに、それだけを目当てに成り立つ産業構造ができあがってしまいました。産業として補助金なしで成り立つように育成するための補助金であるはずが、補助金がないと成り立たない産業構造を造ってしまう従来の失敗がまたしても繰り返されました。
 特別会計によるノーチェックの補助金制度は、全廃するべきです。
 また、この風力発電の問題は、住民合意のあり方、環境影響評価のあり方、補助金政策や優遇政策のあり方など、国の民主主義や政策の問題点の縮図でもあります。
 (略)
 今度こそ、風力発電の問題だけにとどまらず、民主主義や政策の根本を改めないと、同じような問題が今後次々に起こってくるでしょう。この問題をきっかけに、今度こそなんとか改めていきましょう。
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 これを読んで、あれっ? と思った人は多いはず。
 そう、今、福島第一原発で起きていることに、そっくりそのままあてはまるのです。
 
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 この問題で注意したいのは、最初は悪意を持って原子力発電を進めた人はおそらくいなかったであろうということです。化石燃料を使わない未来のエネルギー産業として誰もが期待したものだったのです。
 それがなぜこれほどの惨状を招いているのか? 問題点がわかった時点で、素早く適切な対応をしなかったからだと言えましょう。
 そして、国策として強引に進められ、数々の優遇政策がなされるとともに、それだけを目当てに成り立つ「原子力村」という官産学複合体構造ができあがってしまいました。
 原子力発電の問題は、住民合意のあり方、環境影響評価のあり方、補助金政策や優遇政策のあり方など、国の民主主義や政策の問題点の縮図でもあります。
 今度こそ、原発の問題だけにとどまらず、民主主義や政策の根本を改めないと、同じような問題が今後次々に起こってくるでしょう。この問題をきっかけに、今度こそなんとか改めていきましょう。
----------------------------------------------------

 とにかく、日本のエネルギー問題について何か言うのなら、最低限この本くらいは読んでからにしましょう。そして、反論するなら、ここに出ているデータや事実にひとつひとつ反証しなければ無責任です。
 たったひとつだけでもいい。例えば、日本の商用風力発電施設の発電実績データをひとつでもいいから提示し、その分、火力発電が燃料をセーブできていることを示してみてください。
 多分できません。なぜなら、どの風力発電所も発電実績データを公表しないからです。
 こうならいいな、という願望のもと、「電力村」(電力会社や国)がお金をかけてPRしてきたことだけを信じていたら、今福島第一原発で起きている悲劇と同じことを繰り返すことになってしまいます。
 今の日本には、そんなことをしている余裕はありません。
 本当に、今度こそなんとかこの腐った連鎖を断ちきり、改めないと、この国に未来はないのです。


風力発電の不都合な真実

風力発電の不都合な真実 風力発電は本当に環境に優しいのか? 武田恵世・著

三重県で長年自然環境調査活動を続けてきた著者は、当初は広くPRされているように「風力発電は化石燃料を使わない、CO2を排出しない「環境に優しいエネルギー」だと信じていたが、目の前で展開される巨大風力発電施設建設のでたらめぶりに驚き、調査を開始。11年を経て、この事業がいかに欺瞞に満ちた詐欺的なビジネスであるかを知って戦慄する。
現状の風力発電ビジネスは、CO2排出を増加させ、健康被害を引き起こし、補助金制作に頼り切る「使いものにならない」事業だった。原発震災に揺れている今こそ全国民が「正しいエネルギー政策」を考える第一歩として必読の書。
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福島第1原発事故から学ぶこと2011/03/16 11:07

津波の前と後 ポンプやバックアップ電源関連の設備が根こそぎ喪失
今回の震災は地震による倒壊は大したことはなく、ほとんどが津波による被害だった。
私は震源に近い福島県川内村(震度6強と発表されている)にいたが、揺れはすごかったものの建物の損傷はまったくなし。
中越地震で家を失ったときに比べれば、地震の揺れによる被害はほとんどゼロと言ってもいいほどだった。

しかし、原発が……。

まさかあれほど杜撰な運営をしているとは思いもしなかった。
最初の水素爆発の映像がテレビに流れたのが1時間半も経過してから。その時点で、格納容器ごと吹っ飛んだのかどうかは分からないまま。NHKは映像もこの事実も報じていなくて、古い情報を流していた。
その後の官房長官会見がまったくお話になっていなかったことで、相当慌てた。
津波による甚大な被害は、ある程度避けようがなかったが、その後、さらにひどい状態にさせたのはすべて人災だ。

16日朝の時点で、書き留めておきたいこと
  1. 汚染はひどいけど、逆に言えば、こんなに汚染されても平気なものだということ。吸い込まないようにして粛々と救援作業をするしかない。扇情的な報道はやめて、風向き情報のこまめな発信だけ徹底せよ。風上になっている場所と時間帯をはっきりさせ、むしろ「今の時間、ここは比較的安全ですから動きましょう」という前向きな情報を出すべき。いたずらに数値を発表しているだけでは、一般人は混乱し、救援活動が不必要に邪魔される
  2. 原発事故は、直接の放射線汚染による被害もさることながら、世界の中での風評被害、それによる経済的損失が多大。そういうリスクも含めると、原発は非常に高くつく発電。被害の補償は全部電気料金や税金に跳ね返る。すでにCNNなど海外メディアは、津波災害での死者や取り残された被災者の窮状は一切報じず、すべて放射能汚染関連のニュースになっているという
  3. 首都圏にいる人は、買い出しパニック的自衛より、すぐ隣で物資がなく、通信が途絶えて見殺し状態になっている二次被災者への支援を考えるべき。陸路で簡単に物資が届けられる川内村など、直接被害のなかったエリアへなぜ物資が届かないのか。半径20kmだの30kmだのといった避難エリア指定はまったく無意味。風上10kmより風下100kmのほうが汚染数値は高くなるのだから。救援活動や住民の健康を阻害するだけだから、距離による避難指示はすぐにやめるべき。まずは移動できる人をすべて移動させ、残った病人や独居老人などのケアを専門家がやりやすくするように身軽にすること。過疎の村に平時以上の人(特に普通の生活者)がひしめいていることが、復旧を困難にさせている
  4. エリアごとに一斉停電させるという乱暴な「計画停電」(実際には停電になってみないと分からないのだから、少しも計画的ではない)よりも工場などの大型消費を見合わせるよう要請すべき。そのほうが事前に計画が立てられるし、不意の停電での二次災害も防げる。こういう馬鹿なお役所仕事ぶりを見ていても、電力会社がいかにダメか分かる。広報や運営、経営トップ陣がひどすぎる
  5. 「原発は止めろ」「いや、原発しかない」という両極論をぶつけ合っている段階ではない。今できることは、早急に全国の原発のバックアップ電源を二重三重四重に強化しておくこと。内陸側から強固な電源供給ルートを複数確保して、事故が起きたときに今回のような無様なことにならないよう、金を投入して緊急対策すること。浜岡など、特に危険性の高いものは止めた上で、安全に後処理できるよう集中すること
  6. 原発の安全対策に金をかけよ。使いものにならない風力発電などに金をかけて遊んでいる暇はない。電力会社も経産省もきちんと本当のこと(新エネルギーと言われるものは、まだ技術が確立されていないし、現段階では資源を浪費するだけだということ)を言い、当面は火力、水力など、柔軟に発電能力を変えられるものがいかに重要かをPRすること。電力という基本の基本を早く立て直さないと、このまま世界の孤児になりかねない。事故後、死に体だった日本風力開発の株がストップ高などというニュースを見ていると、あまりにも分かっていない人が多すぎることに、改めて不安を覚える。まあ、電力会社も国も、今回ばかりは本音で動くだろうとは思うのだが、今の政府の勘違いぶりは嫌と言うほど見せられてきただけに、心配だ
  7. 少し先のことになるだろうが、今回のことを「未曾有の天災」で片づけるのではなく、大量生産大量消費社会が豊かな国の証という従来の発想から完全に脱皮し、少ないエネルギーで豊かに生きられる国をめざすべき。そのためには経済成長率などというただの数字が下がることを恐れていてはいけない。ガソリンがなければ高級車もただのお飾り。日本人は本来、こんなに貪欲な消費をする人たちではなかったはず。もっと精神的に豊かな生き方を知っていたはず。「粋な江戸人」の文化をもう一度めざそう


滝根小白井ウィンドファームは全機停止。非常時に風力からの不安定な電力がきたりこなかったりで系統を乱されたらますます電力供給が混乱するので、停止させるしかない。もとよりバックアップにならないことは明白だが、今回のことで、海岸沿いの巨大風車は巨大な津波に襲われたら凶器になるということを再認識させられた。
ムードで踊らされるのはいい加減にやめて、現実をしっかり見つめてほしい。
福島原発はこのまま廃炉になる。もうすでに相当量の放射性物質をばらまいてしまったが、最後までしっかり廃炉処理してほしい。

ちなみに、つい先日のニュース↓

福島第1原発で新たに33機器点検漏れ  保守管理の規定の期間を超えても点検を実施していない点検漏れの機器が見つかった問題で、東京電力は28日、経済産業省原子力・安全保安院に調査結果を最終報告した。報告では福島第1原発で新たに33機器で点検漏れが見つかった。県は「信頼性の根本に関わる問題」と東電に再発防止策の徹底を求めた。
 東電によると、福島第1原発で見つかった点検漏れは定期検査で行われる機器ではなく、東電の自主点検で定期点検が行われている機器。しかし、最長で11年間にわたり点検していない機器があったほか、簡易点検しか実施していないにもかかわらず、本格点検を実施したと点検簿に記入していた事例もあった。
(2011年3月1日 福島民友ニュース)
緊張感のなさ、無責任が積み重なってこうなった。今までなんとかなってきたのは単に運がよかっただけなのだ。

風力発電問題を考える全国集会 東京宣言2010 「風の心」2010/04/30 20:11

山口県白滝山に建てられた風車群
2010年4月30日、東京大井町において、「風力発電問題を考える全国集会」が開催されました。 100人を超える人たちが全国から集まり、風力発電の実態について報告し、問題点を論じ合いました。 集会の最後には、以下のようなメッセージを「東京宣言2010」として採択しました。

風の心

風力発電全国情報ネットワーク 東京宣言2010

 20世紀、この国では、数々の間違った政策や人々の欲望によって、取り返しのつかない大規模な環境破壊が行われました。その結果、今の日本には、本来その土地の潜在自然植生を残した森は0.06%しか残っていません。日本中に存在する荒れ果てた人工林を元の姿に戻すことは、もう不可能でしょう。
 アイヌの人たちが聖地として代々守り続けた沙流川では、司法が「違法な建設」と認めた二風谷ダムが、すでに半分土砂に埋まり、その上に泥水を溜めた姿を晒しています。
 こんなことが許されるのだろうか? なぜそこまで強引に進めなければいけないのか?
 周辺住民や、多くの専門家、研究者たちは疑問の声、生活権をかけた叫びを上げましたが、国策という巨大な力に阻まれ、国民の多くには届くことなく、圧殺されてきました。
 何が行われたのか。その結果、どうなったのか。国民が少しずつ知るようになったのは、すでに回復不能なまでに環境が破壊された後のことです。
 
 私たちは今、目の前で展開されている風力発電という国策事業の現状に、過去何度も繰り返されてきた過ちと同じものを見ています。
 「地球温暖化防止」「CO2削減」というスローガンのもと、巨額の国費を注ぎ込んで進められる大規模風力発電事業は、本当に公益性の高い、価値のある事業なのでしょうか。地球環境にとってプラスに働いているのでしょうか。
 この国は、前世紀に犯した過ちを、今も繰り返していないでしょうか。

 風が安定せず、中山間地が7割を占める日本列島に、すでに1,500基を超える風力発電用設備が建設されています。現在の主流は、全高が100mを超える、定格(最大)出力が2,000KW、2,500KWといった超大型風車です。
 すでに建てられた施設には、地元の行政や土地所有者に適切な説明をせず、「最初に建設ありき」の姿勢で工事が進められた例が多数あります。国定公園内に建てたものや、水源涵養保安林指定を解除して森林伐採や地形改変を進めたものもあります。しかし、これだけの無理をして建設した1,500基の発電実績は、全発電量の1%にもなりません。用地の選定においても、建設後の運営においても、すでに様々な問題を露呈しており、しかも、これらの問題は簡単に修整が効くものではなく、根本的なものです。このまま、さらに無理を重ねたとして、発電実績を数%のレベルまで引き上げることが可能でしょうか。日本の風力発電は果たしてどれだけの「有効な電力」を作りだしているでしょうか。稼働した分、本当に化石燃料の使用が減っているでしょうか。
 
 「風力発電は発電しなくてもいいのです。補助金をいただけるから作るのです」と言ってはばからない事業者がいます。故障して長期間止まったまま、中には事実上修理が断念され、ただのオブジェとして放置された風車もあります。
 稼働している風車のそばでは、20Hz以下の「耳に聞こえない低周波音」が原因と思われる深刻な健康障害に苦しむ住民がいます。不正出産や奇形が多発する家畜。すみかを追われ、里に下りてきて農作物を荒らす野生生物。羽根に巻き込まれて命を落とす野鳥。水源が破壊され、涸れたり汚される川や井戸。こうした被害の実態は、なかなか報道されません。一方で、冷静な検証や考察がされないまま、「CO2削減のために必要不可欠な風力発電」というメッセージだけが、繰り返しメディアを通じて流れていきます。

 やみくもに「推進」を叫ぶのではなく、すべての国民が「環境問題の本質とは何か」を冷静に考える時間を持つ必要があります。そうした思いから、私たちはここに、共同メッセージを発します。

日本政府、および各行政機関のみなさんへのお願い
 風力発電推進を既定の政策と位置づけず、一度立ち止まって、日本における風力発電の実態を正確に把握し直してください。「風力発電推進は必須である」という前提を一度リセットし、ゼロから、真剣に検証し直してください。
 その結果、疑いの持たれるデメリットや予測可能な被害に対して、あらゆる予防手段を講じてください。「科学的に証明できない」「基準値を超えていない」「問題はないと理解している」……そうした杓子定規な対応が続く限り、被害者の苦しみは今後も再生産されていきます。少なくとも、現在被害者が苦しみを訴えている地域の施設については、住民の命を最優先させ、すぐに稼働停止を指導してください。

風力発電を応援している企業へのお願い
 環境問題を「イメージ広告」の材料として安易に扱わないでください。みなさんが援助している風力発電事業の実態を正確に知ってください。
 日本には、深刻な公害時代に多くの企業が立ち向かい、低公害技術を開発してきた歴史があります。誤りを訂正する勇気と知恵こそ、日本が世界に誇れるものです。
 未来につながる実効性のある技術や事業とはどんなものか。先人たちの努力を無駄にせぬよう、困難な課題から逃げずに、見つめ続けてください。

すべての人々に向けてのお願い
 すでに建設された巨大風車群を、一度、ぜひご自分の目で見てみてください。先入観を持たず、静かな心で、変わってしまった風景を見てください。そこで感じ取れる素直な気持ちを出発点にして、風力発電にまつわる様々な情報に、改めて向き合ってみてください。

 人間が、生物本来の正常な判断力や危険察知の本能を取り戻すこと。
 風力発電問題に限らず、これからの時代を生きていく上で、これが基本的な出発点だと、私たちは思います。
 私たち人間を含め、地球上のすべての命を育み、活動を保証してくれた、かけがえのない自然。自然が発する大切なメッセージを、私たちはいつの間にか正しく受け取ることができなくなっているのではないでしょうか。ここで一度立ち止まり、自然のメッセージ、水の心、土の心、風の心を、正しく読み取る時間を持ちませんか。

 様々な立場にいる私たちですが、以上のことを、まずは共通の、心からの願いとして、ここに発信いたします。
2010年4月30日
風力発電全国情報ネットワーク

★私たち風力発電全国情報ネットワークは、風力発電開発に疑問を抱く市民、実際に風力発電施設からの被害を受けている市民、これから被害を受けることを懸念している市民が、情報共有化のために結成したネットワークです。

南伊豆風車紀行(3)2010/01/22 15:41




石廊崎の先端を回って、中木という集落に向かってみました。
途中の海岸沿いの道(県道16号)では、海からの風の強さをよく示す、こんな風景に出くわします。
シュロの木?が、全部山側に曲がっていますね。この風を受けて風車が回るとき、住民の苦しみも上昇するわけです。


奥石廊崎から見た風車群


自然の宝庫 という文句が悲しい
南伊豆町はかけがえのない宝物を
自らの手で簡単に壊してしまった


三坂漁港からの風景


この風景はやはり狂っているとしか思えません。
壊れた風車を修理に来たドイツの技師が、日本での風車の建て方を見て唖然としていたという話を思い出しました。ヨーロッパでは、こんな場所(住居が近隣にある山間の地)に風車を建てるなんて、絶対にありえないことだと。
要するに、とんでもない勘違いをしているのですね。
かつて、台所用の液体合成洗剤が発売されたとき、それでせっせと野菜や果物を洗っている家がいっぱいありました。今ではそんな恐ろしいことをする家はないでしょうが、ベトナムなどでは今も日本から輸出された合成洗剤で野菜を洗っている光景が普通に見られると聞いたことがあります。
山間部に建てられる風車は、それに似ています。よきことと信じて、とんでもない勘違いをやらかしている。
近い将来、「バカみたいだったねえ、あれは」という話になっているのでしょうが、それまでに破壊される自然や、苦しみを押しつけられる人々のことを思えば、とても笑い話ではすまされません。
あまりのばからしさに、どっと疲れが出てきました。
風車建設現場の悲劇を、高速道路建設で立ち退かされた人たちの悲劇と同じだと言う人たちがいます。
可哀想だけれど、社会全体の発展、環境保護のためには仕方がない。誰かが犠牲になって、社会全体の発展や利便性向上をはからなければ、日本はここまでやってこれなかった……と。
でも、それは違うのです。
道路建設など、多くの公共事業には、デメリットもありますが、それによって社会の利便性が上がるというよき面があります。高速道路が山を破壊するのはデメリットですが、それによって大渋滞が解消されれば、無駄な燃料消費や大気汚染が減り、人々の労働エネルギーの節約にもなるでしょう。そのメリットのためになされる事業です。
しかし、風力発電施設にはそうしたメリットがほとんど見込めません。
効率の悪い発電方式を、無理矢理、税金を投入し、法律で優遇(高額買い取り義務など)し、推し進めているわけですから、結果として、環境破壊はますます進み、エネルギーも無駄に使うことになってしまいます。そのことは、別稿でさんざん論考してきましたので、ここでは繰り返しませんが、このことだけは間違えてほしくないのです。
日本の山間部に建てられる巨大風車は、「必要悪」ではなく、完全な「不必要悪」なのです。

今回の訪問で分かったこと、印象に残ったことをまとめておきます。
  • 巨大風車にとって、1kmはごくごく近距離である。2kmは完全危険範囲。3kmも安全圏ではない
  • 耳に聞こえる低周波騒音(ブ~ンといううなり音や、ジュワッジュワッという風切り音)もこたえるが、やはり耳に聞こえない超低周波(20Hz以下)のエネルギーが与える健康被害が深刻である
  • 超低周波による健康被害は、単純に距離が近ければダメージが大きいというわけではなく、地形や位置関係が複雑に関係している。つまり、事前にシミュレーションすることはほとんど不可能である
  • 工事が着工したらあっという間に取り返しがつかない風景となる。その前に止めないと、どうにもならない

南伊豆町の風車群は、まだ試験運転段階です。これが本格稼働したら、東伊豆町や田原市などの被害同様、あるいはそれ以上のひどい状況が出現することでしょう。
すでにこれだけ被害が出ている以上、住民の安全を守るには、住民を完全移転させるか風車を止めるしかないわけで、事業として成立しえないことも明白です。
事業者はお金を持っているでしょうから、ここがビジネスとして成立しなくても大丈夫なのかもしれませんが、町の行政は、とんでもない問題を今後ずっと抱えていくわけです。観光地としても致命的なダメージをすでに受けてしまいました。これから一体、どうするつもりなのでしょう。

同じ道を、私が住む阿武隈も歩むのだろうかと思うと、どっと疲れが襲ってきました。
田村市といわき市にまたがる滝根小白井ウィンドファームは、ほぼ完成に近づいています。
南伊豆町と同じ、2000kw風車ですが、基数はさらに多い23基です。
檜山高原も2000kwが14基。
これらはもう止められません。行政の手によって水源涵養保安林が解除され、私たちの税金が注ぎ込まれ、進められてきました。もうすぐ完成し、稼働します。
南伊豆町と同じ風景、同じ苦しみが、我が家の周りで始まるのです。

のどかな天候なのに、なんとも気分の重い伊豆紀行となりました。
もうだめだな……。
その思いだけが、べっとりと体中に貼り付いています。
風車問題を知り、いやが上にも調べなくてはいけなくなってから、もうすぐ1年が経ちます。
正直、ほとほと疲れました。

いっそ、まったくなかったこと、見なかったこと、知らなかったことにして、この問題には一切沈黙したいと、何度も思いました。
ひとつ書けば、誹謗中傷のメールやWEB上での攻撃が増え、仕事面では完全に無視され、干されていきます。
しかし、最後はやはり、素直な気持ちになって、ひとりでも多くの人にこの現実を伝えたほうがいいと思い直し、これを書いています。
大きな嘘ほど、見抜けなくなると言います。
風車のある風景を配した広告は、増えるばかりで減る気配はありません。こんな時代がいつまで続くのでしょう。
ここに掲載した「風車のある風景」の写真を、素直に見てください。これが「地球環境を救う」景色だと感じられますか?
人間として、一生物としての直観を大切にして生きていきたいものです。

ストップ!風力発電

ストップ!風力発電 鶴田由紀・著

かつて北欧を旅行したときに見た洋上風車の風景に感動し、環境問題に目覚めて、帰国後、市民風車への献金をしようとした著者が、風力発電の恐ろしさ、馬鹿馬鹿しさに気づき、隠された真実を、今、淡々と報告する。「大変な問題なのに、ほとんどの人はまったく知らない」ことの恐ろしさを訴えるために。
全国の「風車ファン」必読の書。もちろん、風力発電懐疑派のかたにとっても最良のガイドブック。
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風力発電の不都合な真実

風力発電の不都合な真実 風力発電は本当に環境に優しいのか? 武田恵世・著

三重県で長年自然環境調査活動を続けてきた著者は、当初は広くPRされているように「風力発電は化石燃料を使わない、CO2を排出しない「環境に優しいエネルギー」だと信じていたが、目の前で展開される巨大風力発電施設建設のでたらめぶりに驚き、調査を開始。11年を経て、この事業がいかに欺瞞に満ちた詐欺的なビジネスであるかを知って戦慄する。
現在推進されている風力発電ビジネスは、CO2排出を増加させ、健康被害を引き起こし、補助金政策に頼り切る「使いものにならない」事業だった。原発震災に揺れている今こそ全国民が「正しいエネルギー政策」を考える第一歩として必読の書。
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このブログについて

環境条件がまったく合わないのを無視して、巨大風車群を無理矢理建設し続けることにより、日本は破壊されている。日本における風力発電ビジネスの実体に迫る。

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